7&2歳の我が家の子どもたちも大好きな動物園や水族館。子どもたちの希望で何度も訪れたことはありますが、動物園って必要なんだろうか?と思うことが時々あります。
ライオンレストラン
以前、ライオンを見ながら食事が出来るのが売りのレストランに行きました。張り切って窓ガラスの1番近くのライオンがよく見える席に座りました。
最初は本物のライオンだぁ!と楽しんでいたのですが、しばらくすると段々切なくなってきました。ライオンがレストランの前から動こうとすると、陰に潜んでいたジープが動き出し、ライオンを元の位置に戻るように威嚇するのです。
辺りが暗くなりナイトサファリの時間になると、荷台を檻に改造したトラックがたくさんの人間を乗せ、眩いライトを照らしながらライオンの前に現れ、お肉をあげるのです。1台去ってしばらくするとまた眩いライトがやってきます。
レストランの前なのでずっと明るいし、ジープには常に見張られているし、しょっちゅうヘッドライトの眩しい光で照らされるし…。ライオンたちのストレスを考えると、だんだん見ているのも辛くなってきます。
夜行性なので昼間はあまり動かないライオン。
「夜になればライオンたちの時間!その様子を見に行こう!」というのがナイトサファリ。それが野生であればそうなんでしょうが、動物園が自然を再現しようとすると不自然になってしまっています。
本当のサファリであれば動物が見られなくても自然のことだから仕方がない。でも動物園であれば「必ず」見られないといけない。
トイレに行くとそこにもガラスの向こうにライオンが…。こちらは外のライオンより狭い空間に閉じ込められています。
動物園って人間が楽しむだけのもので、動物たちにとってはひどいことをしているんじゃないかな?
動物園って必要なのかな?
そんな風に思った瞬間でした。
動物園の歴史
そもそもどうして動物園はできたのでしょう?
動物園の歴史を紐解くと、古代エジプトから中世代のヨーロッパを中心とした王侯貴族が、戦利品として収集し動物や、あるいは国内はもとより海外からの貢物として贈られた珍しい生きた動物たちを、自分の庭園で飼育したことが始まりだと言われています。
王侯や貴族などの権力者が多様な動物たちを「収集」し始めたのが始まり。個人の趣味が発祥だったようですね。それが段々一般公開されるようになり、今の「動物園」というスタイルが出来上がったようです。
ちなみに日本の最初の動物園は東京都恩賜上野動物園。東京の上野にある上野動物園が1882年に開園しました。当初は一般の人に向けて動物を展示し、見て学習してもらう博物館的な要素が濃かったようです。
動物園の4つの役割
動物園や水族館は大きく分けて4つの役割を果たすために運営されているようです。
種の保存
希少な動物を絶やさないように保護する役割
教育・環境教育
未来を担う子供たちに対して、動物のことを知ってもらい、更には環境教育にも繋げていく役割
調査・研究
動物たちの生態をよく調査・研究することにより種の保存につなげる役割
レクリエーション
動物たちを見たり触れたりすることで、人々の癒しの場になる役割
これからの動物園
私が小さかったころ、20~30年くらい前の動物園は狭い檻や柵の中に動物が押し込められている、と言った印象でした。現在はそれに比べると動物園における動物たちの環境は改善されていると思います。
それでも、上に書いた動物園の4つの役割の中で「レクリエーション」という部分が大抵の動物園の中では大きな要素になってしまっているような気がします。
「種の保存」「調査・研究」ももちろん大事ですが、こちらは専門の方にお任せする要素。2児の母としては「教育・環境教育」という点に関して、動物園は大きな役割をもっていると思います。
本やテレビ・スマホの中に登場する動物たちに子供たちは小さな頃から興味を示します。「ぞうさんに会いたい!」と言われてもいきなり野生の動物を見に行く事は出来ません。
本・デジタルの中の二次元の動物たち
↓
動物園で見る生き生きとした動物たち
↓
本物(野生)を見に行きたい!
↓
野生の動物たちの現状を知る
↓
環境問題を考える
↓
環境改善のために行動を起こせる
こんな大人になる為のステップに動物園は大切な役割をもっているんだと思います。
動物園に行っても狭い檻の中で動けず、無気力な目をしている動物たちでは次のステップ(本物を見に行きたい!)に繋がらないですよね。レクリエーション重視、言わば人間の欲求を満たすだけではなく、動物たちにとって良い環境、生き生きと生きていけるような動物園であれば未来の為にも必要、なのかもしれません。そしてそんな生き生きとした動物園であれば人たちの癒しの場「レクリエーション」の役割を満たすことにも繋がっていきます。
そんな動物園がこれから増えていきますように。