「神々の島」とも言われるバリ島。
美しいビーチやリゾートだけでなく、独特の伝統文化がバリ島の魅力をさらに惹きたてています。
その中でもひときわ目を引くのバリ・ヒンドゥーの大晦日に開催される「オゴオゴ(Ogoh Ogoh)」祭り。

毎年、バリ・ヒンドゥー教の新年「ニュピ(静寂の日)」の前夜に開催されるこの祭りでは、巨大な悪霊の像「オゴオゴ」が島じゅうを練り歩きます。
ガムランの音が街中に鳴り響き、大勢の人々が村ごとに趣向を凝らしたオゴオゴを観て歓声をあげる熱狂の夜。
そして、その翌日のニュピになるとバリ島はまるで別世界。
街は静寂に包まれ、誰もが外出を控え、電気や火の使用も制限されます。
まるで陰と陽のように対照的な2日間を体験できるのは1年でこの日だけ。
今回は、バリ島の奇祭、オゴオゴとバリ中が静寂に包まれるニュピについて詳しくご紹介します。
バリ島の文化をもっと深く知りたい方や、特別な旅行体験をしたい方は、ぜひ読んでみてくださいね。
オゴオゴとニュピとは?
ニュピは、バリ・ヒンドゥー教の暦の1つ、サカ暦の新年にあたります。
そして、オゴオゴ祭りはその新年の前日、言わば大晦日に開催されます。
オゴオゴ(Ogoh Ogoh)って?
オゴオゴとは、巨大な悪霊の像(鬼のような姿が多い)のこと。






このオゴオゴはすべて村人たちの手作り!
「バンジャール」と呼ばれる、日本でいう「町会」ごとに何カ月もかけて造りあげます。
そのオゴオゴを当日は、まるで日本のお神輿のように担いで村中を練り歩きます。
最近はオゴオゴも派手になってきて、電飾がついていたり、動いたりするようになって人の手では持ち上げられないのでタイヤがついていたりします。
さらにはコンテスト化してきているので、どこのバンジャールも気合がはいりまくり。
オゴオゴだけではなく、バリ舞踊やガムラン演奏も加わって、ライブさながらの熱狂なんです。
オゴオゴの意味
大体夜の19時過ぎくらいからオゴオゴパレードが始まります。
でも、その前にバリ島の人たちは竹棒やお鍋など、大きな音をだしながら家中を「浄化」します。
このことで、家の中にいた「悪霊」が外に出ていきます。
その後でオゴオゴの登場です。
悪霊を模したオゴオゴと迫力あるガムラン演奏に釣られて、家々から追い出された悪霊がそのオゴオゴにくっついていくんです。
町中を練り歩くオゴオゴですが、四つ角(交差点)に来るとグルグルと激しく回転します。
オゴオゴにくっついてきた悪霊たちは方向感覚を失って、帰り道が分からなくなるので、家にもどれなくなります。
それを繰り返しながら、海に出て最後はオゴオゴを燃やすことで家々、町中の悪霊を浄化するために造られるのがオゴオゴなんです。
ニュピ(Nyepi)って?

オゴオゴを燃やした夜の翌日。
バリ・ヒンドゥー教の新年の始まりの1日が「ニュピ(Nyepi)」になります。
この日は浄化された家の中で瞑想をする日とされています。
外出は禁じられ、なんとバリ島の空港は閉鎖。
飛行機は1台も飛びません。
労働や火を使うことも電気を使うことも禁止されています。
数年前まではスマホの電波やWifiも切られていたことも!(2025年はWifiは使えました)
ニュピの翌日の明け方までは外出が禁止されているので、車やバイクの音もなく、心なしか空気も澄んでいるように感じます。
明かりも使わないので、夜は真っ暗。
晴れていれば満点の星空を見ることもできます。
いつものバリ島からは想像もできない、静寂の1日。
我が家はいつも家で過ごしますが、ニュピにはホテルに泊まりにいく在住者も多いです。
ホテル内なら自由に歩けて、プールもあるし、ホテル内のレストランもあいているからですね。
小さいお子さんがいる場合は助かりますよね。
オゴオゴ&ニュピに泊まるおすすめホテル
オゴオゴ・ニュピの日におすすめのホテルをご紹介します。
ニュピは外出できないので、夜ごはんが含まれている「ニュピパッケージ」などお得なプランがあることもあります。
詳細は各ホテルのリンクから確認してみてくださいね。
レギャンエリア

クタとスミニャックの間に位置するレギャンエリアはサーフィンのポイントとしても人気です。
白い砂浜でサンセットを眺めながらのんびりできる一方、カフェやショップも充実しているので便利なエリア。
ビーチフロントのホテルも多く、ニュピで静かなレギャンビーチを眺めることができます。
パドマ リゾート レギャン (Padma Resort Legian)

レギャンビーチに面したパドマ リゾート レギャン。
広大な敷地に複数のプールがあるのでファミリーにも優しい高級リゾートです。
お部屋はモダンな内装で快適。

レギャン ビーチ ホテル (Legian Beach Hotel)

バリの伝統美と現代的な快適さが融合したレギャン ビーチ ホテル 。
広々とした庭園内にはヤシの木に囲まれたプールがあり、プライベート感たっぷり。
バリ島伝統の彫刻や家具が配された客室は、落ち着いた雰囲気。
レストランではレギャンビーチを眺めながら食事を楽しむことができます。

ウブドエリア

バリの文化と芸術の中心地、ウブド。
緑豊かな森や棚田に囲まれた癒しの空間です。
ヨギーニ達も集まるウブドでは地元の食材を使ったオーガニックレストランや、ヘルシーなカフェを楽しめます。
コマネカ アット モンキー フォレスト ウブド (Komaneka at Monkey Forest Ubud)

芸術の町ウブドの中心に位置する隠れ家的リゾート、コマネカ アット モンキー フォレスト ウブド 。
周りにショップもたくさんる便利な立地ながら、リゾートにはいれば緑にすっぽりと囲まれたお部屋でリラックスができます。
オゴオゴパレードが集まるサッカー場まで歩いていけます。

ジンバランエリア

白い砂浜と穏やかな入り江が特徴の高級リゾートエリア、ジンバラン。
プライベート感を大切にしたい方や、ハネムーナーにおすすめのエリアです。
インターコンチネンタル バリ リゾート (InterContinental Bali Resort)

ジンバランの白い砂浜に面した高級リゾート、インターコンチネンタル バリ リゾート 。
客室は伝統的なバリニーズスタイルで上品な雰囲気。
クラブラウンジからは穏やかなジンバラン湾に沈む美しいサンセットが眺められます。

クプ クプ ジンバラン ビーチ クラブ アンド スパ バイ ロクシタン (Kupu Kupu Jimbaran Beach Club and Spa by L’Occitane)

ジンバラン湾を見渡す絶好のロケーションに佇む、洗練されたビーチリゾート、クプ クプ ジンバラン ビーチ クラブ アンド スパ バイ ロクシタン。
「クプクプ」はインドネシア語で「チョウチョ(蝶)」のこと。
客室はバリニーズスタイルと現代的な要素が融合した上品な空間。
世界的コスメブランド「ロクシタン」とコラボレーションしたスパが人気。
プライベート感あふれるプールで、ゆったりとした贅沢な時間を過ごせる素敵なリゾートです。

スミニャックエリア

バリ島でお洒落なレストランやカフェが立ち並ぶスミニャックエリア。
インスタ映えするビーチクラブでの優雅な時間や、センスの良いカフェでのブランチが出来るので、若い層に人気のエリアです。
ファッション感度の高い旅行者が集まり、バリの伝統とモダンが融合した独特の雰囲気。
夕日の美しさも格別で、洗練された大人の休日にぴったりです。
ザ・レギャン・スミニャック・バリ (The Legian Seminyak, Bali)

スミニャックビーチを望む大人のための極上リゾート、ザ・レギャン・スミニャック・バリ。
ティアドロップ型のインフィニティプールは写真映え抜群。
専属バトラーサービスで至れり尽くせりの大人のためのリゾートです。

アリラ スミニャック (Alila Seminyak)

モダンなデザインが際立つオーシャンビューのリゾート、アリラ スミニャック 。
環境に配慮した設計と、オーガニックアメニティが自慢です。
アリラ独自のスタイリッシな空間を満喫できます。

サヌールエリア

穏やかな雰囲気が漂う静かなビーチリゾート、サヌール。
バリ島の東側なので、海からあがる綺麗な朝陽をみることができます。
遠浅のビーチでのんびりとした雰囲気なので、年配のご夫婦やは小さなお子様連れのファミリーに人気のエリアです。
地元の人々の生活が垣間見える伝統的な雰囲気と、長い遊歩道でのサイクリングや散歩も楽しめます。
ザ メル サヌール (The Meru Sanur)

オゴオゴパレードがメインで行われるバイパスの交差点にほど違い、ザ メル サヌール 。
長い遊歩道の続くビーチ沿いに建てられた新しいホテルです。
緑に囲まれたプールサイドでのんびりと読書を楽しむのに最適です。
オーガニック食材を使ったヘルシーな朝食と、女性に嬉しいアメニティが充実。

今回紹介したホテル&リゾートは、歩いていける距離でオゴオゴのパレードを観れて、ニョピは静かにリラックスするのにおすすめです。
参考にしてくださいね。
オゴオゴの楽しみ方
オゴオゴのパレートは夜の暗くなってから、大体19~20時くらいから始まります。
その少し前から、いい位置でオゴオゴを観たい人たちの場所取りが始まります。

今年も私は9才の長女と19時頃に行きましたが、始まるまでの待ち時間が暑いし、人混みがすごいし、せっかくとった見やすい場所をとられたくないので、身動きもとれず。
オゴオゴパレードの1番の見せ場、道の分かれ道でグルグルと回るシーンも人ごみに埋もれてみることが出来ませんでした…。
なので来年からはオゴオゴ見学を2部に分けようと思っています。
オゴオゴはパレードが始まる前に、もう既に通りにズラリと並んでいます。
なので暗くなりきる前の16時頃に1度オゴオゴを観に行って、ゆっくりと写真を撮る。
パレードは19時過ぎにある程度始まってから観る。
なぜなら、パレードが始まる前はオゴオゴが動かないので、人混みも動かない。
なのに見物客が続々と集まり、大混雑になるからです。
オゴオゴパレードが始まれば、オゴオゴに合わせて人混みも分散されていきます。
人混みは嫌いだし、何より子どもとはぐれたら…と思うと、小さいお子さん連れの方は混雑は避けたいですよね。
ニュピの楽しみ方
前日のオゴオゴの喧騒とうって変わり、翌日のニュピは完全な静寂の日。
毎年、家で過ごす我が家の周りも、車もバイクの音もせず鳥のさえずりしか聞こえません。
夜に玄関の外を覗いてみると、本当に真っ暗。
ニュピの日の夜空を見上げるのが楽しみに1つにもなっています。
後は、早めの夕ご飯を食べた後に、キャンドルに火を灯してUNOをするのも我が家の恒例行事。
子供たちがもっと小さい時は影絵遊びをしたりしていました。
16,000もの島々からなるインドネシアの中で、小さなバリ島だけがこの日は真っ暗。
空港も閉鎖して飛行機も飛ばない。
そんなことが出来てしまうのが、またバリ島の魅力の1つですよね。
いつまでも大事にしてほしい文化です。
オゴオゴ・ニュピの観光時の注意点
観光でバリ島を訪れる方は、オゴオゴ・ニュピの日は次のことに注意してくださいね。
- 事前に必ずホテルを予約
- 車移動は避ける
- 混雑時のスリに注意
- 食料は事前に確保
- 郷に入れば郷に従え
事前に必ずホテルを予約
オゴオゴ・ニュピの日は、必ず事前にホテルを予約しておきましょう。
在住者もこの日は宿泊をする人も多く、満室になる可能性があるからです。
車移動は避ける

宿泊先のホテルを拠点にして、歩いていける距離のオゴオゴパレードを観るのがおすすめ。
なぜなら、あちこちの道がオゴオゴパレードの為に封鎖されるからです。
最悪、パレードが終わる深夜まで身動きがとれない可能性もあります。
GrabやGojekもつかまらないことが多いです。
流しのバイクもいますが、通常より高めの料金になりますので注意してくださいね。
観たいオゴオゴパレードがあったらその近くのホテルを予約して、歩いて行くのが1番のおすすめです。
混雑時のスリに注意
オゴオゴパレードの時は、かなり混雑するので貴重品の扱いに注意してくださいね。
特にパレードが始める前は人と密着することもあります。
必要最低限のお金とスマホがあれば充分です。
食料は事前に確保
オゴオゴの日はほとんどのレストランやお店は早めに閉店します。
元々お休みにするお店も多いですし、営業しているレストランも夕方には早めに店を閉めて、スタッフはオゴオゴの為に帰ってしまいます。
夜ごはんは早めに確保しておきましょう。
また、ニュピの日は外出ができない為、大量の買いだめをする人たちでスーパーは長蛇の列。
1日でそんなに食べないでしょう…と思うけど、みんな爆買いするのが恒例行事。
子ども達にとってはその雰囲気もイベント前のワクワクではあるのですが…。
スケジュールに余裕があれば、オゴオゴ当日の買い物は避けるのがおすすめです。
郷に入れば郷に従え
ここ数年、ニュピで外出禁止にも関わらず、外出をして地元の警備隊ともめる観光客が増えています。
バリ島を訪れているのであれば、バリ島の慣習・文化に敬意を払いましょう。
ホテル内であれば自由に動き回れますが、夜は出来るだけ明かりを使わない、など合わせるようにしましょう。
2026年のニュピの日程情報
来年2026年のオゴオゴは2026年3月18日の予定です。ニュピは2026年3月19日ですね。
(ずれる可能性があるので、事前にご確認ください)
この辺りに旅行を考えている方は、観光スケジュールや飛行機・ホテルの予約に気を付けてください。
いや、むしろぜひ、この時期にバリ島を訪れてオゴオゴとニュピを1度は体験してほしいのが本音。
1年に1回しか体験できない貴重な日なので。
バリ人のパワーを感じられる1日ですよ。
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