バリ島の多くの人が信仰する、バリヒンドゥー教のガルンガン(Galungan)&クニンガン(Kuningan)をご存じですか?
ガルンガン(Galungan)&クニンガン(Kuningan)はバリヒンドゥー教の新年ニェピ(Nyepi)に並ぶ、バリ島の人々にとって大切な行事のひとつです。
今年のガルンガン&クニンガンはいつ?
- ガルンガン:2020年9月16日(水)/クニンガン:2020年9月26日(土)
- ガルンガン:2021年4月14日(水)/クニンガン:2021年4月24日(土)
ガルンガン&クニンガンはバリヒンドゥー教のウク歴という1年が210日しかない暦に沿って、1年(210日)に1度ある行事になります。ですので、毎年西暦では違う日に巡ってきます。
毎年水曜日がガルンガン、その10日後の土曜日がクニンガンというのは決まっています。
ガルンガン&クニンガンはどんな行事?
- ガルンガンとは善(ダルマ/Dharma)が悪(アダルマ/Adharma)に勝った記念日
- 記念日なので神々や自然霊、先祖の霊も地上に降り立ちお祝いをする日
- ガルンガンの10日後、みなさんが天界に戻られる日がクニンガン。
- 先祖の霊がいらっしゃる日なので日本で言う「迎え盆」と「送り盆」に例えられて紹介されることが多い。
善(ダルマ)と悪(アダルマ)というのは10世紀頃のバリ島のワルマデワ王国時代の神話です。10世紀というと今から約1000年ほど前、日本だと平安時代の時のこと。
ガルンガンはその神話が始まりと言われているので、そんな前からずっと続いている行事なのでしょうか??
そして勝利の記念日にご先祖様も地上に戻ってくる日でもあるので、日本で言えば「迎え盆」と例えらえることが多い日でもあります。そして、天界に戻られるクニンガンは「送り盆」と例えられます。
ガルンガンにはこんなことをする
ガルンガン時期は当日を含め、前後1日ずつの3日間、お店がお休みになることもあります。その3日間は…
- ガルンガン前日:プナンパハン・ガルンガン
- ガルンガン当日:ガルンガン
- ガルンガン翌日:マニスガルンガン
と呼ばれます。
プナンパハン・ガルンガン
ガルンガン前日は「プナンパハン・ガルンガン」と言い、新鮮な豚や鶏のお肉で「ラワール」という代表的なお祭りの料理を用意し、翌日に向け準備を行います。
竹で作った「ペンジョール(Penjor)」を家の前に飾ります。ペンジョールはその家のご先祖様が間違いなく自分のお家に帰ってこれる為の目印とされています。各家庭で作ったペンジョールが通りにズラリと並ぶ光景は神聖でとても圧巻です。
ガルンガン
ガルンガン当日は、ご先祖様の霊を迎えるため正装に着替え寺院へお参りに出かけます。
マニス・ガルンガン
ガルンガン翌日は「マニス・ガルンガン」と言い、親戚や家族みんなで遊びに出かけます。ですので道路が少し混雑します。
クニンガン(送り盆)
ガルンガンの10日後、地上界にいらしていたご先祖様たちの霊が天界に戻られる日になります。この日はガルンガンに比べ、することはシンプルで午前中の間に寺院にお参りにいって終了となります。
クニンガン(Kuningan)の「クニン(kuning)」はインドネシア語で「黄色」のこと。クニンガン当日はウコン(ターメリック)で炊き上げたご飯を中心にしたバリ料理が振舞われます。
ガルンガン&クニンガンの日の観光は?
バリ島旅行に来ている方の気になる点は、ガルンガン&クニンガンの日の観光への影響ではないでしょうか?例えば、バリヒンドゥー教のもうひとつの暦、サカ歴の新年、ニュピ(Nyepi)の日は飛行機の離発着も禁止され、ホテルから出ることも許されない、静寂の日とされています。ガルンガン&クニンガンはどうなんだろう?と気になりますよね。
観光には大きな問題はないです!
むしろ、ガルンガンの時にペンジョールが家々の前にズラリと並ぶ光景がとても素敵なのでおすすめです。よくよく見ると家ごとにペンジョールにかける意気込みが違います。大きくて立派なペンジョールの先端が風にユラリとなびいている様子はついつい写真を撮りたくなってしまうほど、優雅で圧巻です。
バリ人以外のお店は開いている
ガルンガンを挟んだ前後3日間はバリ人の方のお店は閉まることが多いですが、バリ島には他のインドネシアの島から来ている人(例えばジャワ島など)のお店であればオープンしています。
道はガルンガン翌日は少し混む
ガルンガン当日はバリの人たちは自分の田舎に帰ることが多いので、観光客がよくいくようなエリアは逆に車やバイクが減ることがあります。
その代わりガルンガン翌日の「マニス・ガルンガン」には、みんなで遊びに出かけるので道が混みだしますが、ニェピのような大きな影響はありません。
ガルンガン&クニンガンの挨拶
バリ島の人々にとって、ガルンガン&クニンガンは本当に大切な行事です。ちょうどこの時にバリ島観光にいらした方は、ぜひインドネシア語であいさつをしてみてください。嬉しそうな笑顔が返ってきますよ。
Selamat Hari Raya Galungan & Kuningan
(スラマッ ハリ ラヤ ガルンガン ダン クニンガン)
「Selamat Hari Raya Galungan & Kuningan」は「ガルンガン、クニンガンおめでとうございます。」という意味になります。
バリヒンドゥー教の世界は奥深く、でも個人的には日本に昔から根付いている「神道」や「自然崇拝(八百万の神々)」に似ている点があるので、考え方をすんなりと受け入れられます。このブログでもいつかご紹介したいバリ島の魅力のひとつです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。